あの日の後日談?


簡単な買い物にでも付き添って来るのは嬉しいのだが・・・・・・・

繋がる手を見つめ、小さくだが息を吐いた。

そんなに危なっかしいか?

街に行くと言った時、すぐに手は差し出された。何?と聞けば、迷子防止。となんとも腸が煮えくり返る返答が口から飛び出てきた。

別に逃げるつもりは毛頭ないのに。

「他にはあるのか?」

「え?―――ああ、あとは本だけだから、ヒュンケルの欲しいもの見に行く?」

同様、ヒュンケルもまた買い物に行きたかったというのが、今回の付き添いの理由には含まれている。

いつもは忙しいヒュンケルのかわりに、やヒムが代理に買い物に行ってきてやる事が多かったのだが、折角の休日。

と共に過ごせる時間を逃すことはしたくなかったのだろう。その根性だけに、ひっそりと拍手を送ってやった。

「何見たいの?」

「指輪だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

停止。見上げ。マヌケな声。

また急になんでそんな興味を?目で語りつつ、口でも言う。

興味じゃない。素早く返し、己の手と繋いでいるの手を唇まで持ち上げ、そっと口付ける。

「俺もお前もいい歳だ」

「殺意沸くわね、その言い方」

「大人しく聞け。この間も、アバンに言われた」

「・・・・・・・・・・あ〜・・・」

この間・・・・とは、いつ結婚するんだと人の部屋で延々と喧嘩を売るような事ばかり語った時の事だろうか?

やはりあの後ヒュンケルの元に行ったのか。あいてる手で額を押さえる。まったく何がしたいのかあの師匠は・・。

だが、それで流される形で指輪を買いに行こうとする根性も許せない。

不機嫌な顔でヒュンケルを見上げ、べしっと頭を叩く・・・・・・・といきたいが、悲しいがな身長さ。

だから腹を殴ってやった。

「殴るな」

「うっわ、効いてないし・・・」

鈍ったのかな?呟きながら開いて閉じてと、自分の手を見るに、鈍ってはいないとこたえる。

ただ力があまり入っていなかっただけだ。無意識に手加減をしたのだろう。

なんで手加減しちゃったのかなー?自問自答するの言葉に、強めに額を叩いてやった。

「別に買いに行くわけじゃない。ただ、どんなものがあるか見たいだけだ」

「・・・・へぇ〜」

「・・・・・・・・・信じられないか?」

そんな悲しそうな目で人を見ないで欲しい。確信犯だ、こいつ・・・。

心の中でだけ呟き、ヒュンケルを見上げて溜息をつく。

「信じてないわけないじゃない。それに、前にも言ったでしょ?ヒュンケルとなら、いつでもあたしは結婚して構わない。と」

「勿論覚えている。だからそのための資金を稼いでいるんだ」

「・・・・・・・うわー、誰かしらこの眼の前に居る男は?」

どこまで計算尽くめなのかしら?嫌味ったらしく呟けば、これぐらいは計算していて当然だろうと、さも当たり前のように返ってきた。

「それに、今はお前も忙しいだろ?」

薬草の知識が人並み以上に脳に詰まっている。

それを生かし、国や人のためになればと、最初の一年はヒュンケルから逃げるように姿をくらまして薬草栽培に励み、ヒュンケルに見つかってからはレオナの城に招待され、今ではそこで薬草の製造法や治療法を記したメモから複写本を製作している。

ちなみに、最近の睡眠時間は平均2時間。ぶっ倒れた回数は最早両手じゃ足りない。

「うーん・・・・でも2日間死んだように寝てたから、体調はかなりいいけど?」

寝すぎだ・・・とも言えないし、もっと寝てろともいえない。

「なら、いつ告白してくれるの?」

悪戯っぽい笑みを浮かべ、ヒュンケルを見つめる。そうだな・・・・・・・。

口元に手を添えて、を見下ろす。その口元には、しっかりと弧をひいて。

「今夜、腕の中で囁いてやろうか?」

魅力溢れる笑みに、たまたま傍を通っていた女性達の頬が染まる。細身のようにみえるが、しっかりとした身体でその腕は逞しい。

女性が見惚れる外見をしているのだから、中々に様にあった笑みだろう。

しかし、そんなことぐらいで頬を紅らめ恥らう思考の持ち主ではないことは、お忘れになってはいけない。

「資金が溜まったら、告白してちょうだいな」

それに、今夜抱かれるつもりは毛頭ないから。

今日睡眠を逃せば、軽く2週間はまともに寝れないのだ。下手すれば歩いていた廊下でスポッと意識飛ばして寝てしまうとか。

そしてポップあたりに発見されて起こされて部屋に運ばれるとか。

ああ、想像するだけで嫌・・・・・。

疲れた顔をするに、冗談だと笑いかけ、額に口付ける。軽いそれはすぐに離れたが、が離れていくヒュンケルを追い、唇に軽く重ねた。

「2週間後ならいつでも構わないわよ」

だから、今夜は我慢してね。

笑いながら2週間後のお誘いに、勿論だと笑ってこたえた。

そして、ここが公衆の面前であると言う事を思い出し、二人同時に顔を赤らめ、ダッシュで駆け出し。







fin.
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イヤッホゥーイ!
ちゃくちゃくとシラスで鯛を釣る作戦が成功しておりますよー!
今回も雛祇さまから素敵夢を強奪してしまいました、ウッフッフvv 計算高いヒュンケルがたまりませーん!(゚∀゚)
もう雛祇さんはちゅちゅの鼻の粘膜を破壊するのがお上手なんだからッ!
画面に鼻息荒くかぶり付くという面妖さで拝読しておりましたハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ!(ヤバ)
ヒュンケルには最近ヘタレさせてばかりだったので、原作のような格好良さに原点を見た気がします。
そうだ、そうだよ、ヒュンケルはこうなんだよ!頭突きしてスマン!ヒュンケル!
そんなヒュンケルといいコンビなライゼルちゃんのクールビューティっぷりに鼻血が止まりません・・・!
ホント、ウチに嫁に来い・・・ッ!щ(゚д゚щ)(目が本気)

雛祇さん、頂きましたリクと素敵夢、本当にありがとうございました!!