ポカポカして気持ちいいね…
【気にかけて貰えたことが】
「うーん」
のどかな春の日。
ぽかぽか暖かい。
(暖かすぎて眠い…)
昼ご飯を食べた後の窓際で授業を受けてるみたいな?(どんなだ)
とにかく、眠たすぎて、うつらうつらと頭を揺らす。
(寝ちゃおっかな…)
幸いにも、今日は急ぎの仕事は無く、学園も休み。
やることも無くて、ボーっとしていた。
「眠たそうですね」
「へ?」
いきなり聞こえた声に、一気に眠気が覚め、声のした方を振り向く。
すると、そこにいたのは、山田先生の息子さんの利吉君だった。
「誰かと思ったら、利吉君だったんだね。山田先生にご用事?」
「いえ、今日は先生に会いに来たんです」
「私?」
「はい」
にっこりと微笑む利吉君に、私は頭の上にハテナを飛ばす。
「ちょっと、付き合っていただけますか?」
「今から?」
「はい。何か用事ありました?」
「いや、特に用事ないし、別に構わないけど…」
「じゃあ、行きましょう」
利吉君に引っ張られ、歩き出す。
目的地はどうやら、学園の外らしい。
小松田君に外出届を渡すのを忘れずに渡し、外に出る。
学園関係の用事以外で外に出るのはいつぶりか…
普段、学園関係で出掛ける時は何かしら、事件等に巻き込まれる事が多い為、気が休まらない。
今日はそうじゃない為か、空気が澄んでる気がした…
(ま、気のせいだろうけど…)
気分が違うだけでこうも違うものかと、不思議な気分だ。
「少し遠いので走りますが、大丈夫ですか?」
「って、誰に言ってるのかしら?これでもくの一教室の先生をやってるのよ?もちろん、大丈夫よ」
クスクス笑いながら答える。
「そうでしたね。それは失礼しました。では、行きましょうか。遅れないで下さいね?」
そう言うと同時に走り出す利吉君に、遅れないように気を付けながら後を着いて行く。
どれくらい走っただろうか…
暫く走ると、少し拓けた場所に出た。
「ここは…?」
「綺麗でしょう?」
色々な花が咲き乱れ、その花に蝶や動物が集まって来ていた。
端の方に湖もあり、とても綺麗で、まるで夢にでも出てきそうな場所。
「こないだ、任務の途中で見つけたんです。それで先生に見せたいと思いまして…///」
「そうなんだ…///」
照れながら言う利吉君に、思わず、私まで赤くなってしまった。
私の事を気に掛けてくれていた事が嬉しい。
「気に入って下さいましたか?」
「ええ。利吉君、有難う」
利吉君の問いに満面の笑みで答える。
だって、こんな素敵な場所を気に入らないって方が難しいでしょ?
「気に入っていただけたようで良かったです」
嬉しそうに私に向かって微笑む利吉君。
私の一番好きな彼の笑顔。
「横になりませんか?」
「え?」
「気持ちいいですよ?」
そう言うと同時に横になる利吉君。
そして自分の横をトントンと叩き、私を促す。
お花の上に座るのが申し訳なく感じるけれど、利吉君に促され、私も思い切って横になり、ぐっと伸びをする。
(気持ちいいな…)
ポカポカ陽気が私を夢へと誘う。
とある小春日和。
たまにはこんな日もいいかもしれない…
それがあなたとなら、
何よりも幸せかもしれない…
(先生…?)
(スースー)
(こんなあなたを見れるのは僕だけであって欲しいだなんて…我が儘だろうか…)